こうづきふとん店日本の文豪シリーズ

夏目漱石

本名は夏目金之助
こころ
坊っちゃん
吾輩は猫である
三四郎
草枕
夢十夜(ゆめじゅうや)

◎あせってはいけません。 ◎ただ、牛のように、 図々しく進んで行くのが大事です。
◎自分の弱点をさらけ出さずに 人から利益を受けられない。 ◎自分の弱点をさらけ出さずに 人に利益を与えられない。
◎色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず。
◎四角の世界から常識と名のつく一角を摩滅して、三角のうちに住むのを芸術家と呼んでも良かろう。
◎自己を捨てて神に走るものは神の奴隷である。
◎他の親切は、その当時にこそ余計なお世話に見えるが、後になると、もういっぺんうるさく干渉してもらいたい時期が来るものである。
◎金を作るにも三角術を使わなくちゃいけないというのさ。義理をかく、人情をかく、恥をかく、これで三角になるそうだ。
◎君、弱い事を言ってはいけない。僕も弱い男だが、弱いなりに死ぬまでやるのである。
◎真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。
◎うそは河豚汁である。その場限りでたたりがなければこれほどうまいものはない。しかしあたったが最後苦しい血も吐かねばならぬ。

芥川龍之介

羅生門

地獄変
蜘蛛の糸

◎人生は地獄よりも地獄的である。
◎恋愛はただ性欲の詩的表現をうけたものである。
◎人生は一箱のマッチに似ている。重大に扱うのはばかばかしい。重大に扱わねば危険である。
◎人生は常に複雑である。複雑なる人生を簡単にするものは、暴力よりほかにあるはずはない。
◎天才の悲劇は「小ぢんまりした、居心地のよい名声」を与えられることである。
◎軍人の誇りとするものは、小児の玩具に似ている。なぜ軍人は酒にも酔わずに、勲章を下げて歩かれるのであろう。
◎人間は時として、満たされるか満たされないかわからない欲望のために一生を捧げてしまう。その愚を笑う人は、つまるところ、人生に対する路傍の人に過ぎない。
◎私は不幸にも知っている。時には嘘によるほか語られぬ真実もあることを。
◎他を嘲(あざけ)るものは同時にまた他に嘲られることを恐れるものである。

島崎藤村

破戒
夜明け前
若菜集の初恋

◎人の世に三智がある。学んで得る智、人と交わって得る智、みずからの体験によって得る智がそれである。
◎今日まで自分を導いてきた力は、明日も自分を導いてくれるだろう。
◎皆一緒に学校を出た時分--あの頃は、何か面白そうなことが先の方でわれわれを待っているような気がした。こうしているのが、これが君、人生かね。
◎弱いのは決して恥ではない。その弱さに徹しえないのが恥だ。
◎結婚するのに精神の勇気を要するならば別れるのにとっては猶更精神の勇気を要する。
◎親はもとより大切である。しかし自分の道を見出すということは猶大切だ。人は各自自分の道を見出すべきだ。

有島武郎 

◎お前たちをどんなに深く愛したものがこの世にいるか、或いはいたかという事実は、永久にお前たちに必要なものだと私は思うのだ。
◎愛と憎しみとは、相反馳する心的作用の両極を意味するものではない。憎しみとは人間の愛の変じた一つの形式である。愛の反対は憎しみではない。愛の反対は愛しないことだ。
◎畏れることなく醜にも邪にもぶつかって見よう。その底に何があるか。もしその底に何もなかったら人生の可能性は否定されなければならない。
◎愛の表現は惜しみなく与えるだろう。 しかし、愛の本体は惜しみなく奪うものだ。
◎苦労なくして快楽はありえない。
◎容易な道を選んではならぬ。 近道を抜けてはならぬ
◎畏れることなく醜にも邪にもぶつかって見よう。その底に何があるか。もしその底に何もなかったら人生の可能性は否定されなければならない

谷崎潤一郎

陰翳礼讃
細雪
「痴人の愛」
「春琴抄」
「鍵」
「蓼喰ふ虫」
「少将滋幹の母」

◎恋というのは一つの芝居なんだから、筋を考えなきゃだめだよ。
◎我という人の心はただひとり、われより外に知る人はなし
◎文章に実用的と芸術的との区別なし
◎意地の悪い人間は、その意地悪さを発揮する相手がいないと淋しいに違いない
◎物と物のあいだにできる影にこそ、美がある
◎人は健康になろうと思ったら、西洋流に強く明るく、積極的に生きることだ。食物であろうが、色欲であろうが、欲するままに精一杯貪ることだ。

川端康成

『伊豆の踊子』
『抒情歌』
『禽獣』
『雪国』
『千羽鶴』
『山の音』
『眠れる美女』
『古都』
大学時代に菊池寛に認められ文芸時評などで頭角を現した 受賞年:1968年 受賞部門:ノーベル文学賞

◎日本の子供には、もっと孤独を教えないと、思想は生まれませんね
◎一輪の花は百輪の花よりもはなやかさを思わせるのです
◎一生の間に一人の人間でも幸福にすることが出来れば、自分の幸福なのだ。
◎別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。
◎二人の結婚は美しかった。なぜなら彼女は離婚する力を持っていたから。二人の離婚もまた美しかった。なぜなら彼女は友達となれる心を持っていたから
◎死んだ時に人を悲しませないのが、人間最高の美徳さ。
◎人間は、みんなに愛されているうちに消えるのが一番だ。
◎誰にもかれにも、同じ時間が流れていると思うのはまちがいだ
◎男が家庭を持ちたいってのは、思い切り阿呆になれる場所がほしいからだ
◎健全な愛は健全な人にしか宿らないものだよ

江戸川乱歩

本名:平井太郎。
怪人二十面相
二千銅貨
点と線

◎昼は夢 夜ぞうつつ。
◎うつし世はゆめ よるの夢こそまこと。
◎結局、妥協したのである。 もともと生きるとは妥協することである。
◎探偵小説界に一人の芭蕉出でよ。
◎推理の興味を充分満足させながら、リアルな小説を書くということです。 それが理想です。
◎長編の『点と線』などは、その理想に近づいている。
◎ぼくがあなた(松本清張)の出現を画期的といったのはその意味ですよ。

太宰治

人間失格
走れメロス
お伽草紙

◎人間は、しばしば希望にあざむかれるが、 しかし、また、 「絶望」という観念にも 同様にあざむかれる事がある。
◎人間のプライドの究極の立脚点は、 あれにも、これにも 死ぬほど苦しんだ事があります、 と言い切れる自覚ではないか。
◎一日一日を、 たっぷりと生きて行くより他は無い。 明日のことを思い煩うな。 明日は明日みずから思い煩わん。 きょう一日を、 よろこび、努め、 人には優しくして暮したい。
◎私はなんにも知りません。 しかし、伸びて行く方向に 陽が当たるようです。
◎私は、ひとの恋愛談を聞く事は、 あまり好きでない。 恋愛談には、 かならず、どこかに 言い繕いがあるからである。

つづき

正岡子規

俳人
柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺

◎病床六尺、これが我が世界である。しかもこの六尺の病床が余には広過ぎるのである。
◎黙ってこらえているのが一番苦しい。 盛んにうめき、盛んに叫び、盛んに泣くと少し苦痛が減ずる。
◎人の希望は、初め漠然として大きく、後、ようやく小さく確実になるならびなり。
◎禅の悟りとは、いつでも、どこでも死ぬる覚悟ができることだと思っていたが、 よく考えてみると、それは大変な誤りで、いかなる場合でも、平気で生きることであることがわかった。
◎病気の境遇に処しては、病気を楽しむということにならなければ、生きていても何の面白味もない。
◎良句もできるが、駄句もできる。 しかし、できた駄句は捨てずに書きとめておかねばならない。
◎ 自分のつくった句を粗末にして書きとめておかぬひとは、とてものこと、一流の作者にはなれない。
◎あせっちゃ、ならんぞな。
◎死ぬまで、ひっこむわけにはゆかない。

宮沢賢治

銀河鉄道の夜
風の又三郎

◎かなしみはちからに、欲りはいつくしみに、いかりは智慧にみちびかるべし
◎無意識から溢れるものでなければ、多くは無力か詐偽である。
◎世界全体が幸福にならないかぎりは、個人の幸福はありえない。
◎もうけつしてさびしくはない。なんべんさびしくないと云つたとこで、またさびしくなるのはきまつてゐる
◎雨にも負けず 風にも負けず雪にも夏の暑さにも負けぬ丈夫なからだをもち慾はなく 決して怒らずいつも静かに笑っている
◎我々が出来ることは、今を生きることだけだ。過去には戻れないし、未来があるかどうかも定かではない。
◎天の川のなかでたった一つのほんとうのその切符を決しておまえはなくしてはいけない
◎人の心を本当に動かすにはその人の体験から滲み出る行いと言葉しかない。知識だけでは人は共感を感じないからだ
◎けれども、ここはこれでいいのだ。すべてさびしさと悲傷とを焚いて、ひとはとうめいな軌道をすすむ。

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